「私の少年」に関する記事を読むべく、ダ・ヴィンチのバックナンバーを読みに行った図書館でたまたま手に取った本。
本屋で見かけたことがあって、タイトルは気になっていたのだが、映画になっていたのね。wikipediaを見る限り、「脚本及びそれをもとにした小説、映画」とあるから、最初からメディアミックスを考えて書かれたものだったということだろうか。
期待以上に面白くてびっくり。時代トリビアがそこかしこに散りばめられていて、年代や人物も妙に具体的なものがやたらでてくるから、ひょっとしたら実話をもとにしたフィクションなのかと思ったくらい。内藤政醇は実在の人物なのね。享年31歳とあるから、この参勤交代が終わったらすぐに死んでしまったくらいなのか。
妙に緻密な時代考証があるかと思うと、政醇たちの行動が即時老中に筒抜けだったり(携帯電話でも持たせていたのだろうか・・・)斬り合いがあっても騒ぎにならなかったり(「生類憐れみの令」以来、抜刀は基本的に法度)変なところもたくさんあるが、そういうのをツッコむのは野暮というもの。むしろ、毎日のように窮地に陥り、それを知恵であったり腕力であったり幸運であったり、様々な手法で切り抜けていくのを素直に楽しむべし。
重要な役回りを演じる忍者の雲隠段蔵、名前の由来は加藤段蔵かな。万能すぎるが心に傷を追っているとか、使い勝手がいい登場人物だろうに、退場の仕方がもったいない。いや見せ場なんだけど、もっともっと活躍させたかった。
続編も読まなきゃ。
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