2009年5月28日木曜日

114 / 158 インテリジェンスと国際情勢分析

10点満点で、9点。

活性化(スキタリング)・・・1時間半程度

土曜日に開催した、読書会に持ち込んだ本。40分ほどで読んでレビュー、という会だったが、120ページほどしか読めなかった。その範囲で、質問作りをした箇所についてはある程度答えを読み取れたが、かなり飛ばして読んだ印象が強かったので、帰ってから再読。

インテリジェンスとはなんぞやという概論から、著者なりの周辺国との国際情勢を分析した結果を記述してある。第1章の「インテリジェンスとは?」と、第2章の「カウンター・インテリジェンス」は非常にわかりやすく、おおよそどういったものかは想像しやすい。

周辺国の脅威についての分析も、基本的には公刊情報からの分析であり、それぞれの主張には根拠となる文献が明示してあり、信用できる物という印象を受ける。もちろん俺は専門家ではないし、周辺国の情報も積極的に集めているわけではないから、著者以上の精度で批評できるわけはないのだけれど。

あとがきにも触れているように、本書は中国の脅威に重点を置いて記述してある。本書の刊行は2007年だが、著者の分析が的確だとすると、中国の脅威は現在既に現実の物になっている可能性が高い。そして、中国に対する懸念は、一部北朝鮮の現在とかぶる。

それは、北朝鮮(本書では、中国)がアメリカまで届く弾道ミサイルを手にして、核弾頭の搭載に成功した場合、北朝鮮(同)はフリーハンドで日本を核攻撃できる可能性を持つこと。日米安保によってアメリカが報復核攻撃をすると、アメリカは再報復を受けるリスクを冒すことになるため、躊躇するリスクがあるということ。

正直なところ、本書を読むまで、そこまでのリスクは頭に浮かばなかった。言われてみれば当たり前の話なのだが、テポドン2号が完成しようがしまいが、ノドンが日本に届く以上は、核の小型化のみが日本に対する脅威だと誤解していた。

インテリジェンスの世界は情報が古ければ価値は激減するのだろうが、それでも俺には非常に勉強になった。
最初は8点と書いていたが、9点に上方修正。



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