2009年5月28日木曜日

115 / 159 「残業ゼロ」の仕事力

10点満点で、6点。

活性化(普通に読んだ)・・・30分程度

先に読んだ『「残業ゼロ」の人生力』よりはいい本。とはいえ、内容の多くは経営者、管理職向けの感があり、俺のような兵隊が読んでも「そういう職場だったらいいよね」としか思えないことも多い。

書いてあることで大きく間違っていることは少ないと思うが、気になる点は多い。それもこれも、仕事をコントロールすることができる立場からの視点で書いてあるからだろう。

「会議では一つの議題に対し2分で結論を出す」という。それは、結論を下せる立場だから言えることだろう。世の中の会社がどうかはよくわからないが、少なくとも俺が出席する会議では、担当者がどれだけ事前に検討を重ねて結論を事前に出しておいても「決定権のある人を説得する」こと以外に結論は出ない。2分で説得できることなら会議に諮る必要などないし、そもそも直接話せばいいこと。会議と言うからには、ディスカッションがなければ、セレモニーでしかないと俺は思う。そうではないという人は多いけれど。

「デッドラインを厳しく設定して、それを何が何でも厳守する。残業は認めない」と。物理的に不可能なデッドラインが設定されたらどうするのだ。その責任は誰が取るのだ。守れなかった奴か。著者の言い分だと、いかなる理由であれ、デッドラインを守れなかったらそいつの責任だ、と読めるのだが。

ワークライフバランスについても、それはちょっと、あまりに寂しい考え方ではないかと感じるところがある。それについては、「『残業ゼロ』の人生力」の書評に書いた。

ロジカルシンキングの重要性について触れているが、本書が必ずしもロジカルでない点も気になった。ロジカルでない上に、「異論・反論は認めない」というスタンスで書かれていて、それにも違和感がある。

「ビジョナリーカンパニー」を読んでいなければ、また違った読後感だったのかもしれない。



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