2010年12月28日火曜日

086 / 366 野村学校の男たち

10点満点で、6点。
読書時間・・・1時間半程度

ノムさん本だが、ノムさんによって再生した男たちのインタビュー集。
ノムさんが普段言っていることを、選手たちはどう受け止めているのか、それがわかる。ただし、基本的には選手若しくは指導者として成功した人物だけを取り上げているので、今岡みたいな選手はどうなのかが少し気になる。

多くの人物が、「今の子には通じないけど」と言った言い方をしているのが、少し気になる。
プロ野球選手と言えばアスリートの中ではエリート中のエリート。才能だけでなく努力も半端ではない人物たちが揃っているだろうに、それでも通じないほど、今は社会全体が甘くなってきているのか。

盲目的にノムさんを信じている人物は多くなく、「反発したけど従ってみたら結果が出た」という選手が多いのが面白い。無視・賞賛・非難のステップのせいなのか、なかなか素直に付いていくのは難しそうだ。中には草野のように、「打撃に関しては言うことを聞いてない」なんて選手もいる。
しかし草野って、ノムさんも認めるほどの天才型だったのか。


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2010年12月12日日曜日

085 / 365 普天間の謎

10点満点で、7点。
読書時間・・・5時間程度

迷走に迷走を重ねている、米軍普天間基地移設問題。その経緯と、なぜこれだけ迷走を重ねているのかがよくわかる。

そもそも発端は、米兵による12歳の少女集団強姦事件に始まっている。米政府からも「アニマル(野獣)」と呼ばれた奴らの行為がきっかけとなり、沖縄の米軍基地排斥運動に火が付いた。その中でも、市中にある普天間基地は象徴的存在となり、アメリカも移転の必要性を認識したことから協議がスタートしている。

そもそも沖縄に米軍基地が集中しているのは、単に戦後占領下にあったからだけではない。米軍の東アジアへの展開を考えたとき、抜群のアクセスを誇るその立地は、そもそも地政学上沖縄に基地がなくてはならないことを示している。自衛隊を正規の軍隊と認めず、必要な適切な軍備を放棄した日本は、米軍基地が存在することを前提に国土を防衛している。

本書を読む限り、自民党政権はそのことをよくわかっていた。アメリカは当然そのことを知っており、その上で地域の安定を保ちながら米軍の再編をすることに乗り出した。沖縄は軍事的及び地政学的合理性は認識しつつ、政治的事情から揺れていた。

関係各者が必死の協議を繰り返し、遅々としながらも着実に進んできた普天間基地移設問題。環境影響評価が終わり、移転先が日米政府と沖縄の間で合意され、具体的に動き始めたそのとき。全てを壊し始めた奴らがいる。連立政権だ。

レベッカのMOONを思い出す。壊してしまうのは一瞬でできるのだなぁ、と。

本書は1995年の発端から2010年5月末までの事象を追いかけているが、530ページ中170ページほど、30%を民主党政権下のわずか1年足らずに割いている。それは、以下にこの短期間に、普天間基地移設問題が大きな展開を見せたのか、雄弁に語っている。もちろん、それは考え得る限り悪い方に、だ。

著者は語る。普天間基地移設問題をゼロベースで語りはじめるのなら、まずは安全保障の観点から、軍事的合理性に基づき、そもそも日本を守るために必要な軍事力はどれだけなのかを検討する必要があった、と。まぁ当然だろう。中国大好き民主党は、中国を脅威と考えていなかったのかも知れない。社民党はお花畑だから、何も考えていない。国民新党は、郵政国営化以外は何も考えていない。これで、米軍再編への協力などできるわけがない。

こんな奴らに政権を渡してしまった、国民の責任は重い。政府を批判する前に、まずは国民が、安全保障とは何かを知らなくてはいけない。知っていれば、それを知らない連中に政権を委ねるなど、恐ろしくてできるはずがないのだ。

もしも鳩山がパイロットだったら、を思い出した。
http://momochan1225.blog31.fc2.com/blog-entry-65.html


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2010年11月25日木曜日

084 / 364 ぼく、ドラえもんでした。

10点満点で、6点。
読書時間・・・1時間半程度

ドラえもんの声優、大山のぶ代さんのエッセー。
ドラえもんに一目惚れして、「声をやらせてください」と直訴し、そして著者から「ドラえもんって、ああいう声だったんですねぇ」という最高の褒め言葉をもらった大山さん。本書からは辛いエピソードはあまり感じられず、とにかくドラえもんが好きだったという感情がよく伝わってくる。

「のび太のくせに~」というあのいじめ言葉が、「バカヤロー」と言わないために編み出された台詞だったとか、エピソードもいっぱい。しかしそれよりも、ドラえもんを通じてできあがった縁の、その豊かさが気持ちいい。

なんだかんだ言っても、やっぱりみんな好きなんだよね。ドラえもん。

でも、「ドラえもんを好きだと言ってくれる人は多いけれど、私が一番ドラえもんのことを好き」と言い切れる人が声を当てていたのは、やはり恵まれていたんだろうなあ。


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2010年10月29日金曜日

アクティブ・ブレイン学習法

昨日、初開催のアクティブ・ブレイン学習法コースに参加してきた。このセミナーは、高校・大学受験や、資格試験など、「正解がある問題が出て、全て理解できていれば100点が取れる」試験に対する、アクティブ流の挑み方について学ぶセミナー。

具体的な記憶のテクニック(P=9.8QHηという式を覚えるとか)を期待したが、そういった話は出なかった。
(質問すると、「イメージ転換法」「イメージ分解法」「イメージ連結法」の組み合わせでいけるから、やってみなさいとのこと)

むしろ、勉強法全般に関わる話。tacticsではなくstrategy。
勉強する順番として、

1.孫子法
2.バードウォッチング法
3.サマリー法
4.アクセル・パーフェクト法
5.ラーニング・パロット(オウム)法
6.タイムトライアル法

というものを学ぶ。そして、これらの学習法について効果を上げるために、

A.タイムマネジメント
自分の生活を振り返って、一日何時間勉強に割けるのか決める
決めた時間は、必ず勉強する
一日1時間なら、サボった日の翌日は2時間勉強する!
・・・サボらない無理のない時間を決め、サボれないプレッシャーをかける
飲み会、旅行など、勉強できないとわかっているタイミングについては、予め想定しておく(一日1時間だが、合計で週6時間など)

B.モデリング
そのジャンルで、既に合格している人を見つけ、教えを仰ぐ
覚えなくていいジャンルがあるかも、ある公式は別の公式から導ける(覚えなくていい)かも・・・

C.モチベーションパートナー
同じ試験を一緒に受ける、あるいは勉強を無条件に応援してくれる人を見つける
「合格すると、この人も喜んでくれる」と思うと、やる気が2倍になる


内容としては、他の本(これとかこれとか)に書いてあることと、大きく違うとは思わなかった。ただやはり、小田先生からこの話を聞き、「つまり具体的には、このジャンルでは最初にこれをやって次にこれをやって・・・と進めていけばいいのですか?」と聞けることが、大変有意義。本では身につかないポイント、「なぜそうやるのか」がよくわかる。

プレミアムセミナーなので、アドバンスコースまで終了した人でないと受講できないし、次回開催も決まっていないみたい。でも、試験を控えている人(できれば1ヶ月以上猶予があること)は、ぜひ受講して欲しい。

ちなみに初開催で、19:00~21:30の予定が、休憩なしで22時に迫る時間だった。できなかった演習もいくつかあり、次回以降内容が大きく変わっているのかも知れない。

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2010年10月25日月曜日

083 / 363 ボナンザVS勝負脳

10点満点で、7点。
読書時間・・・2時間半程度

つい先日、清水市代女流王将を下して話題になった合議制コンピュータ将棋「あから2010」の一部として機能した、ボナンザについて。2005年に颯爽とデビューして、コンピュータ将棋選手権で初出場初優勝の快挙を成し遂げた、ボナンザ。どういうアプローチで作っていったのか、作者が語っている。そしてさらに、そのボナンザと公開対局をして勝利した、渡辺明竜王が、ボナンザについて語っている。なんと豪華な。

作者は、将棋について詳しくないため、「どうすれば強い将棋プログラムを作ることができるのか」わからなかったという。そこで作者が取ったアプローチは、自らの専門分野をベースに、プログラム自らに「どう指せば強くなるのか」を考えさせる、というもの。そのせいか、ボナンザは他のプログラムではまず出てこない、人間臭い差し手をするのだという。

渡辺竜王はしかし、それでもボナンザには「コンピュータなり」の弱点があり、恐らく人間が負けることはないであろうと語っている。コンピュータには、計算で指し手を選ぶことしかできず、漠然とした「大局観」を持てないことが限界であろう、と。

渡辺竜王は、同時にボナンザの強さも認めている。対局中に「なんかこいつ、強すぎるな」と感じ、また10番勝負などでは全勝は難しいとも語っている。2007年3月に対局した時点でこの強さ。それから3年を過ぎ、その上複数プログラムの合議制で動いた「あから2010」は、女流王将を下したのも自然の流れなのかも知れない。

「羽生さんは恐らく、人類が到達しうる最高の将棋を指している」と語った渡辺竜王。
清水女流王将を破ったボナンザが、安定して勝ち越せるようになり、トップ棋士に挑む日が来るのはいつだろうか。


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2010年10月24日日曜日

082 / 362 筆談ホステス 67の愛言葉

10点満点で、6点。
読書時間・・・1時間弱

筆談ホステスでその一端が披露された、心温まる筆談を集めた本。その内容に至るまでの客の状態、何を考えながら書いたのかなど書かれている。

うまいこと言う(書く)なーとは思ったが、心に響くほどではなかった。
所詮、銀座で酒を飲みながら、ホステスに言われてることだからね。客に対して言っていることであって、一人の男女関係で言ってることではないから。
(そんなのだったら、本に掲載しないだろうし)

へこんでるときにこんなこと言われたら(書かれたら)ぐっとくるだろうな、というのは多いが、冷静な目で読むと、「そういう切り返し方があるのか」と感心するだけ。まぁ、一流(なのか?)ホステスの話術を読む本、と思えばよい。


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2010年10月22日金曜日

081 / 361 アメリカ皇帝になった男の話

10点満点で、8点。
読書時間・・・2時間程度

最初から民主主義国家として誕生し、わずか250年足らずの歴史しか持たないアメリカ合衆国。イギリスから独立して以来、国王すら戴いたことのないこの国に、皇帝がいたと言っても信じる人はどれだけいるのだろう。

しかし、皇帝は確かに存在した。20年あまりにわたってこの国に君臨し、市民から愛され続け、今なお愛されている皇帝は、確かに存在したのだ。

皇帝の名は、ジョシュア・ノートン一世。市民の絶大なる支持の元、アメリカ合衆国皇帝、メキシコの護国卿として、彼はサンフランシスコの地で国民を愛し、国民から愛され続けた。

即位宣言は、新聞に掲載された。自ら持ち込んだその原稿を、そのまま掲載した新聞社こそが、まずもって最初の忠誠心を示していたのだと本書は語る。掲載する新聞社も新聞社なら、それを読んだ国民も、そのまま受け入れてしまうところに、凄まじいユーモアを感じる。

9フィート×6フィートの居城に、家賃前金で1日50セントなり。在位中これを払い続けた皇帝はしかし、食事や交通には国民からの寄付があり続けた。レストランでは「皇帝陛下御用達」の看板を出すことを条件に最高級の部屋と食事を持って報いた。服が傷んでいると評判になれば、たちまち寄付が集まった。列車での食事に金銭を要求した鉄道会社は、逆に市民から総スカンを受けて、慌てて「終生無料パス」を発行している。

皇帝は、頭がおかしいのではないかと考えた警察官がいた。彼は皇帝を捉え、精神病院に送ろうとした。たちまち市民から非難が巻き起こり、警察トップが皇帝と市民に謝罪する羽目に陥っている。皇帝自らは寛大にも、この大逆罪を犯した警察官を許している。

皇帝は国債も発行している。25セントや50セントの国債を発行し、それを銀行がしっかり引き受けている。しかも皇帝は、満期を迎えたその年1月に急死するという、狙ったかのようなタイミング。この国債は印刷会社が無償で発行を請け負い、そして今に残された国債は、オークションで1000ドルを超える値が付いている。

皇帝はまた、南北戦争の和解仲介もしている。北軍のリンカーン大統領、南軍のデービス大統領に、それぞれ親書を送っている。そもそも皇帝は、自身こそ合衆国の最高権威であり、大統領の存在を認めていなかった。この親書に対し、リンカーンが「大統領選挙があるので・・・」とユーモアたっぷりに返しているところもいい。

真似をしたものもずいぶんいたようだが、本当に市民の心をつかみ、そして本物の皇帝であると認められたのは、彼しかいない。惜しむらくは皇后を迎えることに失敗し、血筋が続かなかったことか。

魅力的な人物だ。そして、謎も多い。謎は謎のままでいいのだろう。


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2010年10月20日水曜日

080 / 360 史上最高の投手は誰か

10点満点で、8点。
読書時間・・・2時間程度

史上最高の投手が誰かなんて、その実績を知っている人なら、疑いなく彼の名を上げるだろう。
リーロイ”サチェル”ペイジ。3000試合以上に登板して2500勝以上、300以上の完封、100以上の完全試合、、、
その記録のほとんどはニグロリーグでのものだが、ニグロリーグはメジャーリーグとの対抗試合では105勝23敗。圧倒的に勝ち越している。

「黒いタイ・カッブ」と言われながら、「本当はタイ・カッブのことを『白いクール・パパ・ベル』という方が正しい」と言われたクール・パパ・ベル、ベーブ・ルースを「白いギブソン」と呼ぶのは褒めすぎとまで言われたジョシュ・ギブソン。ニグロでは控え選手でありながら、メジャーでは新人王やMVPを取ったジャッキー・ロビンソン。実力ではメジャーを遙かにしのぐ選手たちを相手に、常識外れの数字を残し続けたペイジは、史上最高と言うよりもむしろ孤高のピッチャーとさえ言えるだろう。

「火の玉」と言われた剛速球(米軍の測定では169km/h)を投げたボブ・フェラーに「アレをファストボールというのならば、俺のボールはチェンジアップだ」とまで言わしめた剛速球。一説には180km/hを遙かに超えていたとか。
二死走者なしからわざと四球で満塁にして、野手を全員引き上げさせて打者を三振に取ったり。日本で言うならば、沢村栄治と稲尾と権藤と江夏と金田と津田と江川と鈴木啓示と大野豊と野茂と松坂とダルビッシュと、全員の全盛時を足して5倍したような、そんな投手だったのだろう。

本書では、ペイジが史上最高の投手であるという前提を元に、そのことが米球界で認められるまでの課程を追っている。他にいろんな投手の伝説が出てくるのかと思ったが、巻末にニグロリーグの選手たちについて少々触れている程度。それでも、「ペイジ級の投手は75人いた」なんて書かれているが。

実力がありながらメジャーに行けず、野球殿堂入りができず、そのことで嘆くわけでもない、淡々とした生涯を送ったペイジ。「彼は自分の力で換え得るものは全て換え、換え得ないものは耐えた」と言われたその人生は、実に魅力的。


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2010年10月18日月曜日

079 / 359 クロスゲーム 風雲プロレス=格闘技読本

10点満点で、5点。
読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

最近フォトリーディングしてないから、普通に読んでばかり。

さて本書は1999年に出版されたインタビュー集。時系列をきちんと追っていないから間違えてるかも知れないが、高田がヒクソンに2連敗を喫し、橋本が小川にシュートを仕掛けられてボコボコにされたあと。新日本の社長が藤波に、全日本の社長が三沢に替わった直後。本書に登場する人物のうち、川田を除く全日本所属選手はノアに移り、橋本はZERO-ONEを旗揚げ。安田は猪木預かり。武藤が全日本の社長になり、健介は退社。そして橋本は病気で、三沢は試合中の事故でこの世を去っている。インタビューはされていないが、鶴田も鬼籍に。

まだ長州がマグマになる前で、「選手として一世を風靡し、プロモーターとして辣腕をふるっている、長州さんは凄い」なんて言われてるのに苦笑。健介もまさか、新日を退社してマグマメイツになり、貯金を崩して生活する身分になるとは思ってもいなかったのだろう。

インタビューで気になったのは、全日本の選手たちは、外の世界にほとんど関心を持っていないこと。高田がヒクソンに連敗しても「見てもない」といい、橋本がシュートで潰されても、三沢以外は反応していない。確かに当時の全日本、そしてその後のノアは、他の団体が束になってもかなわないくらいの激しいプロレスをしていた。しかしそれにしても、「プロレス≒弱い」「プロレス=八百長」という声が強くなっていたこの時期に、危機感が少なすぎるなぁ・・・と感じてしまった。これは、俺が前田信者だからなのだろうか。

本書を読んで一番笑ったのは、天龍と高田の対談。天龍が高田に、ヒクソンと三回目はやらないの?と聞いたところ、「ギャラが半端じゃないみたいだから」と。VALE TUDO JAPAN OPEN でワンデイトーナメントにだって出てたヒクソンを、手の届かないギャラにしてしまったのはオマエじゃないか。
もしも本書を、出版当時手に取っていたなら怒り狂っていただろう。しかし今は、高田を生暖かい目で見ているので、「こんな奴に出番を取られた前田は可哀想だったなぁ・・・」と思うだけ。



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078 / 358 弱者の兵法

10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

相変わらず同じことが書いてある、ノムさんの著書。しかし本書は、他の著書に比べても面白かった。
弱者の兵法と銘打ってはあるが、それは本書のほんの一部。むしろ監督論、リーダー論、プロとはどうあるべきか、という点を重視して書かれている。

才能の限界とは、努力の限界まで到達して初めてわかるものだと言うこと。プロたるもの、努力の限界まですべきであること。そして、そこまで努力している人物が、残念ながら今のプロ球界にはほとんどいないこと・・・

よく言われることだが、本書でも金本知憲の姿勢を、プロの鑑と賞賛している。確かに、ノムさんでさえ4年連続最下位に沈んでしまったダメ虎を優勝まで引き上げた、最大の貢献者だろう。その金本が練習の虫で、またその後ろ姿を見て選手たちが育っていったからこそ、タイガースは生まれ変わった。星野の力ばかり言われるが、赤星、藤本、濱中、矢野、井川と、ノムさんが育て上げた選手は多い。その力があってこそ、タイガースは生まれ変わることができた。ダメ虎を生まれ変わらせた名監督、という名誉を得られなかったのが、惜しい。

時折挿入される試合のエピソードは、相変わらず面白い。
できれば、楽天最後のシーズンをどう戦ったか、一年分振り返った本を書いてもらえると嬉しいなあ。



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2010年10月8日金曜日

077 / 357 教科書・日本の安全保障

読書時間・・・3週間程度

日本では軽視されがちで、きちんとした大学での講座もない「安全保障」について、教科書たらんと書かれた本。

難解。教科書と言うには、軍事的・政治的・外交的な基礎知識がないと、読むのが辛い。また、著者の一人田村重信氏が自民党本部に所属する人であるせいだろう、国内法の整備については「野党の反対により云々」等の主観的な記述が目立つ。

本格的に安全保障について勉強するつもりならば、読むべき本だろう。しかし、俺みたいな素人が読むには、ややハードルが高かった。

付録的に収録されている、第5章の「孫子」と「戦争論」の比較については、わかりやすく面白かった。ここだけ著者が違うのではないかと思うくらい。「戦わないことが最善」とする孫子と、「軍事は政治の一手段、戦争は必ず起こる」という戦争論のスタンスの違い。異なるようで本質的に同じ箇所。その他縷々、いずれも読んだことのない俺には、読むための動機付けにはかなりよかった。

クラウゼヴィッツの「戦争論」は難解で有名、読むためのガイドブックまで出てるから、今までどうしても手が出せなかった。ガイドブックで予備知識を付けて、読んでみようかな。
孫子は、魏武注孫子が書棚にあるのだが、なんだかんだで読んでいない。こちらも読んでみよう。



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2010年9月30日木曜日

076 / 356 筆談ホステス

10点満点で、6点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

幼少時の病気により、一切耳が聞こえない著者が、いかにして銀座でホステス(売れっ子?)を努めているのか。そのテクニックを大公開・・・というよりは、「売れているホステスは何を考えているのか」を書いてある。著者は無音の世界に生きているから筆談だけれど、耳が聞こえたならば普通の会話で、普通にホステスとしてやっていけそう。

客の誘いを断るときなど、うまいこと逃げる言い回しもある。しかしそれより、客が肉体的、精神的に付かれているときにかけている言葉には、心温まるもの。気が滅入っているとき、酒が回っている中綺麗な字で書かれたら、確かにころっと参りそうだなぁ、と感じるもの少なからず。

「ホステスの会話術」なんて続編があるといいかもしれない。
・・・と、思ったら、結構出てるのね。



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2010年9月25日土曜日

075 / 355 この一冊ですべてがわかる普天間問題

10点満点で、6点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

緊急出版と書いてあるとおり、118ページのムック本に近い体裁。4月1日発行だから、まだ鳩山政権が迷走しているときに出版されている。

・そもそも普天間基地の何が問題なのか
・日米が危険性を認識しながら、なぜ未だに解決していないのか
・著者の考える解決案
・普天間基地の存在価値、戦略的意義とは何か

について、わかりやすく書かれている。
しかし随所に著者の主観が入っており、客観性にはやや劣るか。「こうだからこうなるはずだ」の論法が多いのが気になった。知識の一片としては読むべき本だろうが、本書をメインの参考書として読むのは問題ありという気がする。

普天間で迷走し、日米関係が悪化している足下を見られて、中国に尖閣諸島を奪われつつある。
この亡国政権はあといったい何年続くのか。日本は国体を維持できるのか。



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2010年9月18日土曜日

074 / 354 最新 政治のニュースが面白いほどわかる本

10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

政治のニュースが面白いほどわかる本」の改訂版。2009年の出版だから、麻生内閣時代。本書ではまだ、政権交代が起きる前の情報で書かれている。

政権交代とはいったいどういうことか(それを争点に選挙するようなものではない)、連立政権とは何か(本来あるべきではないもの)など、前著と同様わかりやすく書いてある。前著では比較的中立的な立場から書かれていたが、本書は「今の自民党はダメ、しかし残念ながら民主党もダメ」という視点で書かれている気がする。

テーマは大きく三つ。「構造改革とは何だったか」「政権交代とは何か」「これからの国際貢献はどうあるべきか」が取り上げられている。前著よりもテーマを絞った分、一つ一つの話題について詳しく触れてはいるが、まだ浅い。政治に興味のない人が、入門書として読むべき本だろう。

欲を言えば、本書の次のステップとなる本の紹介があればよかった。



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2010年9月13日月曜日

073 / 353 あなたが輝くとき

10点満点で、6点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間強

大好きなピアニスト、西村由紀江さんのエッセー集。どれくらい好きかというと、George Winston の次に好き。つまり、二番目に好きな音楽家。

売れっ子ピアニストとしての視点、苦労などがよくわかる。コンサート会場に向かうタクシーに乗っても、「会場はまだ開いてないよ」と言われてしまったり、貴重な隙間時間にいろんな人から挨拶されて、トイレに行くチャンスを逃したり。読みやすい文体で、読みやすい文章が書かれている。この人は、文筆家を目指しても、そこそこ面白い物が書けるんじゃないかな。ゴーストライターが書いたのでなければ。

俺が一番好きな曲、「心が満ちるとき」のタイトルを与えられたのは、病院コンサート。自分では動くこともできない患者との交流。なるほど、こういう感情を表しているのか、と。
(でもたぶん違う。先に作品ができたのだから)

テレビ番組で収録がうまくいかず、何度も演奏を繰り返したとき。ゲストに謝りに行ったら、「もう一回演奏が聴けるの? うれしいわ」と言われた話がある。こういうことをさらりと言える人、言わせる人に、憧れる。



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2010年9月12日日曜日

072 / 352 イラク自衛隊「戦闘記」

10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

イラク戦争後の復興に乗り込んだ自衛隊の先遣隊長、「ヒゲの隊長」佐藤正久氏の著書。現参院議員で、防衛にあまりに無知な北澤防衛省を叱り飛ばしたこともあるから、ご存じの向きも多いだろう。

「戦闘記」とあるが、銃弾を撃っての戦闘ではない。むしろ小泉総理(当時)が帰国した自衛隊に向かって「誇りに思う」と言ったように、自衛隊は一発の銃弾も撃たなかった。ではどんな戦闘かというと、現地の部族と、他国の軍隊と、日本の政府と、日本のマスコミとの、武器を使わない戦闘。現地に溶け込むための苦労、武力行使できない自衛隊を理解してもらうための苦労、手足を縛って送り出した日本と現地の違いによる苦労・・・

自衛隊とは本当に、世界最高レベルの存在でないといけない制限があるのだなあ。何せ撃たれても撃ち返してはいけない、一発も撃たれないようにする以外身を守る方法がないのだから。指揮官に発砲を許可する権限がなく、正当防衛での発砲ですら、「隊員の自己判断」とさせるなんて、政治が隊員個人に責任をなすりつけている以外の何者でもない。

人質戦隊サンバカーンが、誰も頼んでないのに勝手にイラク入りして拘束されたとき。日本どころか世界中に迷惑をかけていることを恥じるどころか、「自衛隊はイラクから撤退するべきだ」と信じられないことを家族が言っていた。そんなとき、当のイラクでは「自衛隊は帰らないで」というデモがあったことが書かれている。

隣人が撃たれても守ることができない自衛隊。最前線でそんな制約を付けられたら、いったいどんな苦労をする羽目になるのか。社民党とかの脳にウジが湧いてる連中は、考えたことがあるのかね。



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2010年9月10日金曜日

071 / 351 小泉官邸秘録

10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

稀代の名宰相・小泉純一郎に使えた筆頭秘書、飯島勲氏の回顧録。
小泉総理が何を考え、何を重視し、何を優先して物事を進めていったのか、よくわかる。

小泉総理の抵抗勢力としては、ほぼ自民党内部しか出てこない。それだけ自民党内部の抵抗が大きかったと言うことなのだろうが、野党の存在感も軽薄だったと言うことだろう。確かにこの時期、野党はただの反対勢力であり、政策について議論する相手ではなかった。

格差の拡大など、小泉政権に対する評価は、賛否両論ある。
しかし、今に至るその前後の政権を見ると、小泉政権下の日本は幸せだった。特に9.11を挟んだ時期が、決断力に富んだ宰相を持っていて、本当によかった。
もしあのとき民主党政権だったらと思うと、ぞっとするね。



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2010年9月4日土曜日

070 / 350 政治のニュースが面白いほどわかる本

10点満点で、7点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

もう10年前、小泉政権が発足する前の本だから、内容が古いのは仕方ないか。
当時購入したものの、典型的な積ん読になり、今頃ようやく手に取った。

内容は確かに初心者向けで、ややレベルは低いか。それでも、基本となることから丁寧に解説してあり、本当によくわかる。政党の違い、選挙の仕組み、公共事業、銀行がつぶせない理由、日米安保など。わかりやすいだけに、本書だけでわかった気になってしまうところがやや恐ろしいが、興味を持てば自分で調べればよい。

逆に言うと、本書程度の知識を持っていなければ、政治について語るのはやや不足。基本的なことくらいは抑えていなければ、何か主張しても、一顧だにされないだろう。もっと勉強しなければ、と自省。

ちなみに本書はどういうわけか、改行がやたら多く、また単語の区切りで改行していたりして、文字数はとても少ない。その上図も多く、読書経験に乏しい人が基礎知識ゼロでじっくり読んでも、3~4時間あればお釣りが来るだろう。読書経験がそれなりにあり、政治に関する基礎知識もいくらかあれば、1時間かからないかも知れない。



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069 / 349 武士は禿げると隠居する

10点満点で、6点。
読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

著者は確か、「世界一受けたい授業」とかに出てる人じゃなかったかな。よく知らないけど。
とはいえ知名度で買った本ではなく、タイトルに興味をひかれたから。ブックオフで100円だったし。と、開いてみたらサイン本。サインしてもこの価値なのか、ブックオフだとサイン本はこの扱いなのか。

さて本書は、後書きにも触れられているとおり、出典が不明で論文には使えない情報を集めた本。いわゆる雑学本だね。情報の信憑性に乏しいので、鵜呑みにすることなく、へーへーと言いながら読むべき本。雑学本はどれもそうか。読む人はわかってるよね。

内容は、意外に面白くなかった。文体のせいか、取り上げたテーマのせいか。話が膨らまず、もうちょっと深く突っ込んでくれると面白いのに!と思うこと複数回。

ま、雑学本ならこんなもんか。



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2010年8月28日土曜日

068 / 348 「普天間」交渉秘録

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

最近普通に読んでばっかり。フォトリーディングの再受講行ってこようかな。

さて本書は、「防衛省の天皇」とまで呼ばれ、事務方トップの次官を異例の4年も務めた、守屋による暴露本(と言っていいだろう)
登場人物はすべて実名で書かれており、また政治家に実務家が振り回されているのがよくわかる。

内容がなかなか面白く、またリアリティがあるので、

・一方の当事者が自分の視点から書いたもの
・守屋は山田洋行を巡る収賄を巡る事件で、実刑判決を受けた人物であること(現在最高裁に控訴中)

を意識しておかないと、鵜呑みにしてしまいそう。
ちなみに本書をそのまま受け取ると、

・安全保障についてきちんと意識を持った政治家は、悲しいことにほとんどいない
・小泉純一郎は、やはり希代の名宰相。物事の本質、重要なところをきちんと見抜いている
・評判が悪かった森喜朗、安倍晋三の両宰相も、結構わかっている
・あのゲル大臣(石破茂)も、守屋から見ると穴だらけの存在
・政治家は、せっかくいいところまでいった話をひっくり返す
・麻生、町村といった人物は視野が狭い
・久間章生、小池百合子の両防衛相は、ほぼ最悪と言える人事。特に久間は、絶望的にダメ
・久間はもしかしたら、田中真紀子レベルの害人かも知れない
・中川秀直も酷い。邪魔するだけ
(個人的には、安倍内閣以降選挙で惨敗を続けた一番の戦犯は、中川だと思っている)
・沖縄に、誠意というモノはない。利益のためには嘘もつくし、合意もひっくり返す
・普天間移転が進捗しなかったことは、ほぼ沖縄のせいだと言っていい

といった感じ。読んでいてなるほどと思いながら読み進めたので、違う視点から書いた本も読まなければ、本書だけで思想ができあがってしまいそう。

ちなみに本書の記載では、午前2時過ぎまで仕事して、翌朝7時前に登庁というケースが普通に出てくる。
こう言うのを見ると、官僚は悪だとか、そういう主張はどうかと思うなあ。まずはキャリア組にまともな労働環境を提供し、きちんとした報酬を与えないと、「普通に仕事するだけでは割に合わない」と思わせてしまうのではないかなあ。



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2010年8月19日木曜日

067 / 347 特殊部隊全史

10点満点で、7点。

読書時間(細切れに読んだ)・・・トータル12時間程度

読みにくい。原文が悪いのか訳が悪いのか、時間軸はぐちゃぐちゃだし、人物は入り乱れるし。エピソードの途中で過去の話題に切り替わり、それが突然元に戻ったり、内容を追いかけていくのがとにかく大変。たぶん、一回で読み流すことができれば、読書時間は1/3にできたと思う。

内容はサブタイトルに書いてあるとおり、SAS創生期から湾岸戦争、その後の世界まで。
特殊部隊が創立された背景、その訓練、実地での任務、失敗談等々。読みにくさでずいぶん損をしているが、内容としては9点あげたい。

選りすぐったエリートたちが、時には命を落とすほどの訓練(教官が殺されてしまうこともある)は、想像を超えるモノ。拷問体験とか、必要なのだろうが、例え訓練といえども嫌だと思うようなモノまで。

興味がある向きにはお勧め。ただし、じっくり取り組むべき時間を確保すること。



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066 / 346 野村の革命

10点満点で、6点。

読書時間・・・1時間程度

いつもどおり、ノムさんの本。書いていることは同じ。
時折語られるエピソードのうち、いくらか新しいモノが混ざっている程度。なので、別にこの本でなくとも、ノムさんの著書に興味がある人なら、どれか一冊手に取ってみれば十分。この評価は相変わらず。

しかし、面白くて読んじゃうんだよなあ。俺がノムさん好きだからなんだろうな。
たぶん、ノムさんが好きというわけではない人には、「また同じ内容かよ」と言われてしまうだろう。そんな本。



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2010年6月27日日曜日

065 / 345 わが記者会見のノウハウ

10点満点で、7点。

読書時間・・・2時間程度。

あさま山荘事件の指揮者として、元内閣危機管理室長として、様々な席で記者会見に臨んできた著者が語る、記者会見のポイント。昨今の事件で、記者会見の失態が原因で大問題になった例を挙げ、どうするべきであったか語られている。

なるほどと感じ入ったのは、「言うべきこと」ではなく、「言ってはいけないこと」を決めておく、ということ。「知りません」「わかりません」ではなく、「言えません」というべきということ。本書にはその理由、そうすべきだった例が豊富に紹介されている。

なるほど、確かにこう言われていればイメージが違ったな、と感じ、面白い。
本書が実際の役に立つ人は多くないと思うが、読むだけでも面白い。



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064 / 344 いけちゃんとぼく

10点満点で、5点。

読書時間・・・忘れちゃった。たぶん10分くらい。

サイバラの、大人向け絵本。だと思うなあ。子供向けじゃないよなあ。
白サイバラの世界だったが、Amazonの書評ほど感動することもなく。ああ、サイバラの作品だなあ、と。

俺は、白サイバラはあまり好きじゃないのかも知れないな。「毎日かあさん」は大好きなのに。




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063 / 343 センス・オブ・プログラミング!

10点満点で、5点。

読書時間・・・忘れちゃった。

1ヶ月くらい前に読んだ本。最近ここに書けない本をいろいろ読んでいて、書くのを怠っていた。

サブタイトルとして、【抽象的に考えること・データ構造を理解すること】と書いてあるが、あまり抽象的ではない、むしろ細かすぎる気がした。それは、このレベルの抽象性でも十分と言うことか、あるいは俺がプログラマとして本書を読むレベルにないのか。たぶん両方だろう。

「プログラミング作法」みたいな、具体的に身になるものを期待していたが、少々違ったようだ。



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2010年5月24日月曜日

062 / 342 ノムさんに聞け! 野球的人生指南

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

ノムさんの主張を、実社会のビジネスマンに置き換えて、それを漫画化したもの。
漫画部分と、ノムさんのコラムで構成されている。

個性とは何か、本番で実力を発揮するには、衰えを感じたら、リーダーの役割とは、について書かれている。
漫画で大げさに書かれていて、コラムで言わんとすることに補足がある。読みやすくてわかりやすい。

野球に興味のない人には、他の本を読んだ方がいいのかも知れないが、ノムさん好きなら。
ちなみに、漫画はあまり面白くない。



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061 / 341 C言語を256倍使うための本

10点満点で、9点。

学生時代からバイブルのように愛読している本。
(K&Rは読んだことないくせに・・・)

Cの落とし穴、テクニック、プログラムのチューンアップなど、中上級者向けの内容が面白おかしく書いてある。未だに読みこなせてはいないのだが、本書の内容が完全に理解できる人は、きっと中級者を卒業しているのではないだろうか。

コマンドライン引数の処理方法など、何度もソースを読んで体得したものも多い。
文法はわかった、しかし実際の使いこなしに壁を感じている人が、何度も読むといい本だろうと思う。内容が面白いから、読み返しても飽きないし。



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2010年5月22日土曜日

060 / 340 思考の整理学

1時間半程度でさらりと読んだだけ。
読みやすい文体で、わかりやすく書いてあるのだが、じっくり読まないとその含蓄を取りこぼしてしまう。

俺は取りこぼしてしまったので、偉そうに語れる立場ではない。
とりあえず読んだ、というメモだけ残しておく。



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059 / 339 「1年続ける」勉強法

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間程度

多くの人は同様の経験があると思うのだが、勉強とは続けることが一番大変。
俺は去年結構勉強を続けたが、一息入れてしまったら、今は勉強することをやめてしまった。

さてそれではどうしようか、と手に取った本。
さらりと読んだだけなのだが、特別に新しいことは書いてないね。「根性で乗り切るのではなく、勉強できる仕組みを作れ」と書いてあるが、そうかこれなら、と目から鱗が落ちるものはなかった。まぁ、それだけに、勉強を続けることとは「これさえやれば誰でも出来る」という性質のものではないと言うことなのだろう。

勉強する目的をはっきりする、無理のない計画と若干無理目の目標を立てる、計画から遅れたら何が何でも取り返す、といったところが要点かな。多くの本で同じようなことが書いてあるだろう。

本書は、資格試験に短期間で合格したい人向けの本。
その分野で一流になりたいような、勉強そのものが目的、あるいは応用することが目的の人向けではなかった。



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2010年5月17日月曜日

058 / 338 人はなぜ恐怖するのか?

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

お化け屋敷のプロデューサーが書いた本。心理学的なものではなく、著者の経験を主体として書かれているので、科学的根拠は乏しいが、面白い。

安全領域を侵されること、予想しなかったことが起こること、肉食獣を想像させるもの、死を連想させるもの、幽霊という終わりの見えないもの・・・真剣に読むような本でもないが、入り込んでしまった。

著者はお化け屋敷のプロデューサーなので、「怖がらせる」ことにもプライドを持っている。ジェットコースターとの違いは何か、「楽しい」と思わせる「怖さ」、出たあとの安心感・・・なるほど、こんなところまで考えているのか、とここも感じ入ることしきり。

ワンテーマの雑学本としては、かなり面白い部類だと思う。

俺は怖いの嫌いだから、お化け屋敷って入れないんだよなあ。



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057 / 337 毎日かあさん6 うろうろドサ編

10点満点で、7点。

相変わらずのサイバラ節。やや毒素は抜けてきた感があるが、十分面白い。
我が家は息子二人なのだが、将来ああなってしまうのかなあ。不安であり、楽しみでもあり。

重い話も軽い話も、同じタッチで描けるサイバラは凄い。
しかし、やや慣れてきたのか、もっととんでもないことを求めている自分がいる。

そろそろやめた方がいいのかな。
書かれてる側も、そろそろ嫌だという感情が出始めるんじゃないかな。



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056 / 336 新版 明解C++ 入門編

久しぶりにプログラミングをしたくなって、手に取った。

学生の頃、CでDOSプログラムは書いていたが、WindowsプログラミングもC++プログラミングも挫折した。なまじ中途半端にCがわかる分、基礎からちゃんと勉強しようとしなかったせいだと思う。

最近Visual C++ 2008 Express Editionが無料で入手できるというのを知って、久しぶりにプログラミングをしたくなった。最初はVisual C++の解説書を手に取ったが、やはり言語そのものを知らないと、ハードルが高い。本当は言語を知って、OSを知って、それからVisual C++の本なのだろうな。

本書はプログラミング初心者向けに書かれていて、Cを知っていると冗長な気はするが、わかりやすい。
時間の都合上、実際にプログラムを入力することなく、読むだけだったが、実際に入力しながら読むと、本書だけでかなり理解が深まると思う。

惜しむらくは、演習問題の解答がないこと。「すぐに解答を見る人が多い」から付けていないとのことだが、どうかと思う。周りに詳しい人がいる環境ならともかく、独習の際聞ける相手がいないと、わからない問題はそのままになってしまう。

プログラミングに限らず、工学系の本は、こういうスタイルのものが多いが、好きになれないな。
大学で勉強しているとは限らないんだぞ。



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2010年4月28日水曜日

055 / 335 アホでマヌケなプログラミング

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

オールドプログラマの酒飲み話、と思って読むといい。
プログラマを志したことがある身としては、「そうだよな-」とか「そんな奴いたな-」とか、「噂には聞くけど本当にいるのか?」とか、いろんなツッコミどころのある、四方山話が面白い。

聞く耳を持たないクライアント、営業と開発の確執、わかっていないのに口を出す偉い人・・・このあたりは、この手の本なら大抵書いてあるけど、新人教育の話は面白かった。「たまたまうまく動いている」と、「バグがない」を混同している奴とか。

cの文法についてもいくらか書いてあり、例えば
main()
{
    int i;

    for (i = 0; i < 10; i++)
        printf("%c", i["0123456789"]);
}

の実行結果はどうなるでしょうとか、

a = b++++c;
a = b-+++c;
a = b+-++c;
a = b+++-c;
のうち文法的に間違っているのはどれでしょう、とか、ひねくれたことについて書いてあったりする。

「プログラミング」と書いているが、どちらかというと「プログラマ」だな。
まじめに勉強のつもりで読むなら、appendixに要約があるので、それを読んでから読むといい。
どちらかというと、気楽に酒でも飲みながら読む本だと思うけれど。



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2010年4月27日火曜日

054 / 334 C++言語のカラクリ

10点満点で、6点。

読書時間(コードはまじめに読まないで・・・)・・・1時間半程度

第2部の「わんくま同盟座談会」はどうでもいいが(そもそも「わんくま同盟」っていったい何ものだか、説明は皆無だし)、第1部の「C++のカラクリ」は面白い。読みこなすにはプログラミングの他、コンピュータサイエンスの知識が必要になるが(俺には無理と言うことだ)、雰囲気はつかめる。

「初期のC++コンパイラは、Cのコードを吐いていた」とは知っていたが、その必然性があったとは知らなかった。
Cで書いたC++をCにするインタープリタを作って、そのコードを既存のCコンパイラがマシン語にする。
これでC++をマシン語にすることが出来るようになるので、今度はC++でC++のコードをCのコードにするインタープリタを作る。そのインタープリタをコンパイルしてマシン語コードを作り、さらにできあがったマシン語コードにC++で書いたC++をCのコードにするインタープリタのコードを喰わせる・・・

書いてて訳わからなくなってくるが、これは「できあがったコードの正当性」を検証するために必要なステップなんだそうな。読んでいるうちは、何となくぼんやりと、わかったようなわからないような。わかってないのだろうな。

図もあるが、実にわかりにくい。概念そのものが難しいのだろうが、図があってもあまり参考にはならなかった。

C++の言語そのものを知らないので、本書の記述がどれほどの価値があるのかは、よくわからない。
読み物として読む分には、6点。



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2010年4月25日日曜日

053 / 333 わが柔道

10点満点で、9点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間半程度

「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」と言われた鬼の柔道家、木村政彦の自伝。鬼が自分の信条を、飾らずに隠さずに書いているので、非常に面白くぐいぐい引き込まれる。

曰く、練習で膝をつかされたことが悔しくて、刃物を持って家まで行った。
曰く、天覧試合で勝った褒美に、芸者を買ってもらった。
曰く、戦後MPに柔道を教えた際、神棚の代わりにヌードポスターに礼をした・・・

信条として「三倍努力」を上げ、本当に実践したその強固な意志。「木村君は人の倍、6時間練習するというから、僕は6時間半練習してきた」という相手に「まさか9時間も練習していたとは」と言わしめる。その精神は指導者になっても変わらず、学生を深夜にたたき起こす・・・

ブラジルでエリオと戦ったときのことも詳細に書かれ、エリオを武道家として尊敬していることがよくわかる。反対に八百長破りをした力道山については手厳しく、「悪は滅びる」とまで書いている。エリオがその後バーリトゥードで破れていたことも初めて知った。

巻末には山下泰裕との対談も収録されており、また大外刈りの解説写真まで付いている。豪華以外の何者でもない。

こんなに面白いとは思わなかった。



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2010年4月24日土曜日

052 / 332 cプログラミングの非常識

学生の頃買った本。何回読んだのだろう。たぶん5回くらいかな。
プログラムを書かなくなって久しいが、書いていた頃は、スタイルの洗練や落とし穴について知るため、ちょくちょくひもといた。一つのトピックが短くまとめられており、わかりやすい。

平成4年、18年前の出版なのでさすがに内容は古い。CP/Mの話題や、トライグラフなどについてもページが割かれている。nearポインタ、farポインタなんて、最近のプログラマは知らない人も多いんだろうな。

決して入門書ではないが、入門書を卒業したら、読んで損はないと思う。たぶん。



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051 / 331 c++の絵本

仕事でちょっとしたプログラムを書く必要があり、フリーのコンパイラを探していたらVisual c++に行き着いた。
コンソールベースの、たかだか数十行で済む内容だったので、そのときはcで書いた。しかし、久しぶりにちゃんとプログラミングをしたくなり、いろいろ調べる。

学生の頃はプログラミングが大好きだったのに、Windowsになって全く触らなくなってしまった。それはWindowsベースのプログラミングで、コードを書く前に知るべきことが山のようにあったり、当時は「Windowsならc++だよねー」という風潮があって、二つのことを同時に手がけるのはハードルが高かったから。

しかし今回コンソールアプリを書いたことで、まずは言語から勉強しようかな、と言う気になった。そこで手に取ったのがこれ。「cは知ってるけどc++を知らない人には適切」という評価をそこら中で見た。

個人的には、あまりいい本とは思えなかったなあ。イラストをふんだんに使っているが、そのせいで肝心の文章による解説がなおざりになっている気がする。オブジェクト指向の考え方をぼんやりつかむにはいいが、言語の習得には向いていないような。

諸事情により自分でコードを書かず、ただ読み流しただけなのが悪いのかも知れないが。



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2010年4月21日水曜日

050 / 330 20世紀スポーツ列伝

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度

昭和を駆け抜けたアスリートたちの伝記。取り上げられている人物は、嘉納治五郎、双葉山、沢村栄治、古橋広之進、白井義男、円谷幸吉、青木功、植村直己、三浦友和、長嶋茂雄、人見絹枝、前畑秀子、樋口久子、伊藤みどり、伊達公子。まんべんなく、様々なジャンルの人物が取り上げられている。

嘉納治五郎が取り上げられているのに、木村政彦、植芝盛平、大山倍達が登場しないのは少々気に入らないが、彼らは「アスリート」ではなく「武道家」という位置づけなのだろうか。

各エピソードには、時代背景なども丁寧に描写してあり、その時々の登場人物の立場がよくわかる。沢村栄治が何のために「手榴弾投げに野球が役立った」と語ったのか、前畑秀子が「帰りの船から飛び込むかも知れない」と心配されたのか。文字通り命がけで戦ったアスリートの姿がある。

戦争と復興を駆け抜けた選手たちに国民がかけた期待、そして見事に応えた選手や、応えられなかった選手の悲哀がここにある。



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049 / 329 死刑でいいです

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

17歳で母親を殺し、少年院を出て2年後には27歳と19歳の姉妹を凄惨に殺害する事件を起こした山地悠紀夫。逮捕後は「弁護士はいらない」といい、「死刑でいいです」と自暴自棄になり、しかし動機については最後まではっきりしなかった、謎の男。山地の心の闇に、少年時代から死刑執行まで、携わった人たちへのインタビューから迫っている。

酒乱の父親から暴力に晒され、しかし血を吐いたところを母親に見捨てられてからか、父親を「いい父だった」と振り返り、母親については「鬼のような人間」と吐き捨てる。精神分析に携わった医師からは、「母親を否定しないと、殺したことを正当化できないからでしょう」と分析されている。

少年院では模範囚(?)となり、しかし心の闇はのぞかせている。注意が必要であると認識されながら解放され、パチンコ店勤務からゴト師へ、そして姉妹殺害事件を起こす。

所々に挿入されるエピソード、医師の分析などから、「良心をもたない人たち」を思い出した。著者たちはアスペルガー症候群などの精神異常があったと分析している。もしかしたら、山地も良心をもたないのかも知れない。

自らを「生まれてくるべきではなかった」といい、「一日も早く死刑を執行して欲しい」という山地。しかし、「自殺したいが出来ないのではないか?」という問いには明快に違うと答える。
読みながら理解しようと思っていたが、最後まで理解できなかった。

本書にコメントを寄せている、元家裁調査官の「反省なき更生」が、本当に必要なのかも知れない。
山地に罪を認識させることは出来なかったかも知れないが、二度目の殺人は防ぐことが出来たのかも知れない。
そもそも反省することが出来ない人物には、再犯を防ぐ以上のことは出来ないのだろうから。



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2010年4月17日土曜日

048 / 328 記憶力日本選手権チャンピオンが明かす 図解スーパー「実用」記憶術

10点満点で、6点。

読書時間(普通に読んだ)・・・45分程度

難しい。著者はちゃんと出来るのだろうが、解説が少なくコツなどもあまり書いておらず、読むだけではとても出来るようになるとは思えない記憶術。

場所、運動、道順、文章、イラストなど、他の記憶術の本では取り上げていないような題材についても書いてある。それは十分に価値があることではあるが、しかし俺には、この本で出来るようになる人がいるとは思えない。出来るかも知れないけど結構大変で、普通に覚えた方が早いよね、というのもある。

要は慣れなのだろうが。著者は確かに出来るのだろうし。

俺にはアクティブ・ブレイン記憶法の方が性にあったと言うことか。



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2010年4月16日金曜日

047 / 327 変な給食

10点満点で、4点。

読書時間(普通に読んだ)・・・1時間半程度。

タイトルに騙された。この本は給食の問題に名を借りた、米食真理教か米食教原理派か、謎の新興宗教の教本だと思う。それくらい、根拠に乏しいパン食叩き、洋食叩き、米食礼賛に充ち満ちている。

取り上げられている給食は、確かに変なものが多い。しかし、「米」が主食となっているものは、わずか1点雑炊を使ったものを取り上げただけで、あとはパンか麺。そしてそこかしこに、パンは駄目、砂糖と油の塊、米を食っておけばすべての問題は解決すると書いてある。

バカじゃないか。この著者。
本当に大学を卒業したのか。コメントを寄せているのは、本当に栄養士なのか。
そこかしこに「栄養バランスが無茶苦茶」と書いてあるが、数値は一切ない。カロリーがいくらで、炭水化物がいくら、脂質がいくら、タンパク質がいくら・・・と書いてあればまだ説得力があるのだが。
そして米食。「米食が本当にいいのか?」という問いに対し、「考えるまでもない」というスタンスに終始。栄養バランス、長期的な研究結果などが引用されていれば説得力は段違いなのだが、これだとワイドショーで芸能人が無責任に発言してるのと大差ない。

栄養的に酷いと書いてるのも少なくないが、ロングスパン、1ヶ月や1年単位で評価はしていないようだ。「推して知るべし」というスタンスなのだろうが、意味のある評価とは思えない。

根拠のない主張、裏付けとなるデータの提示なしに書かれた、センセーショナルな主張は注意して聞かねばならない。この本を真に受けるか否かで、読者に科学的リテラシーがあるか試されるのではなかろうか。

一応書いておくが、本書の主張が科学的にデタラメと言っているわけではない。根拠が示されておらず、科学的ではないと言っているだけ。星占いと同レベルで、当たっているのかも知れないが、それは主張が正しいのか偶然なのか、判断できませんよということ。

なので、本文には目を通さず、単に「デタラメな給食があるね-あははー」と、写真とメニューだけに目を通すのが良さそうな本。酷い給食だと笑ってみる分には、それなりに面白い。



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046 / 326 任天堂 “驚き”を生む方程式

10点満点で、8点。

読書時間(普通に読んだ)・・・3時間程度

他社が最先端ハードで、処理性能や画像表示能力でしのぎを削る中、全く違ったアプローチでDSやWiiといった大ヒットを飛ばした任天堂。その発想力、開発力、文化について、詳しく書かれている。

著者は任天堂のことを無条件にほめすぎている嫌いはあるが、それでも十分に面白いと思い、また任天堂は凄いと素直に思える。「枯れた技術の水平思考」とは任天堂を表すときによく聞く言葉だが、まさか光線銃が太陽電池からの発想とは知らなかった。

本業は何かを見失わず、全力で本業に取り組んでいく姿勢はすばらしい。ウチの会社も、力を入れるところと入れないところと、もっと考えた方がいいのでは・・・なんて余計なことを考えたり。

基本的に登場人物はすべて褒めちぎっているので、先代社長・山内溥に対しても、神がかった直感と洞察力を持った天才経営者、として取り上げている。
しかしどうせなら、インベーダーゲームが流行していた頃パクリを作って、テレビのインタビューに「遊び方にパテントなんかない」と言ってのけたことも取り上げて欲しかった。



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2010年4月14日水曜日

045 / 325 ついていったらこうなった

10点満点で、7点。

読書時間(普通に読んだ)・・・2時間程度

町中で声をかけてくる、どう考えても怪しいキャッチセールス。普通の人は無視して通り過ぎていくのだろうが、それについていったらどうなるのか、体験取材した本。途中まで首を突っ込んでおきながら断るとどうなるのか、そしてその内情を暴露するとどうなるのか、書かれている。

面白い。「電話にでたらこうなった」と同じく、著者の書き方が秀逸。「潜入してみた」ではなく、「本当に騙された」かのように思える。結婚相談所とか出会い系クラブとか、もしかしたら本気で期待していたのではないか、と思わせる書きっぷり。

しかし、世の中にはいろいろな詐欺があるもんだね。
これだけの本が書けるほど誘われるとは、都会というのは怖い場所なのか。



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