2008年10月17日金曜日

001 カラシニコフ

10点満点で、8点。

朝日新聞と言うだけで、内容に疑問符を持っていたが、この本は素晴らしい。余計な感情や政治信条、主義主張を極力排除して、慎重かつ淡々とした記載が続く。こんなレベルの高い内容が、朝日新聞に連載されていたなんて、にわかには信じられない。

内容は、銃そのものよりも、銃によって振り回されるアフリカの内情を追ったルポと言った方がいい。その辺のアフリカ紹介本にはまず出てこない、治安の悪さとその様相が克明に描かれている。もちろん銃そのものに対する詳細な記述もあるし、ミハイル・カラシニコフ本人へのインタビューも掲載されている。

平和とはいったい何か、考えさせられるいい本だ。これは人にお勧めできる。ただし、残酷な現実を淡々と描写している箇所も少なくないので、そう言うのが感情的に受け付けられない人には辛いかもしれない。



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