10点満点で、7点。
35歳という史上最年長でメジャーリーグデビューした元メジャーリーガー、ジム・モリスの半自伝。プロを目指すが挫折して、ハイスクールでコーチをしていたら生徒たちから励まされ、奇跡のプロ入りを果たした男の実話。
感動的な話ではあるし、実際そういう感想を持つ人が多いから映画にまでなったのだろうが、今ひとつ素直に感動できないところがいくつか。
おそらくは実際の話なのだろうが、ベースボールではプロでこそ挫折したものの、そこまではどこでプレーしても頭二つ以上抜きんでた実力を見せつけるところ。ベースボールだけではなく、フットボールでもバスケットボールでも、十分以上にプロを目指すことができる実力を持っていること。夢を諦めて大学に進学すれば、仕事をしながらの学業でも優秀な成績を収めること。とにかく、有り余る才能に恵まれながら、メジャーリーガーを目指したことのみによって苦労してしまった(それでも最後には夢を叶えた)、自慢話に思えてしまう。
それよりも本書で興味を引かれたのは、終身雇用の日本とは違うことから、モリスも妻も職を転々としながら、それが特別なことではないように書かれていること。実際にそうなのだろう。だから、35歳という年齢でハイスクールのコーチという職を捨てて再びメジャーリーガーを目指すことになったとき、妻が応援してくれたのではないだろうか。再び夢破れたところで、もう一度職を探せばいい(そして、その年齢で職を探す人が普通に存在する)環境だからこそできた芸当である気がする。
本筋とは違うところを面白がって読んでしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿