2008年10月19日日曜日

017 透明な力―不世出の武術家 佐川幸義

史上最高の武術家との評価もある、佐川幸義先生について書かれた本。口伝というわけではないようだが、佐川先生が話されていたことを、細かく書き現している。以前書評を書いた吉丸慶雪氏もそうだが、よく話されたことを書き残しているものだな。本気で武術を志す人たちは、皆そうなのだろうか。だとしたら、俺がいつまでたっても上達しないのも当然と言うことか。

しかし、末席とはいえ合気道を志す身からすると、翁先生について「植芝は合気がわかっていないから、愛だの宇宙だのといってごまかしている」と言われるとちょっと切ないものがあるな。佐川先生に言われると、合気道側は返す言葉がないのだろうか。

しかし、残念なことに、俺が知る限り佐川先生の映像は残されていない。そして、俺が知る限り、佐川先生が「合気ができている」と認めた人もいないから、先生の言う本当の合気を目にする機会は、今後もないかもしれない。惜しい。

武田惣角氏の逸話についても詳しく書いてあって、こちらもかなり面白かった。



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