2008年10月26日日曜日

034 兵士に聞け

10点満点で、7点。

自衛隊について、タイトルの通り「兵士」に相当する、曹士の視点を中心にまとめられたルポルタージュ。「防大生」というだけで差別的な扱いを受ける学生時代、過酷な割に名誉以外得るもののない陸自レンジャー訓練、逃げ場とプライバシーのない護衛艦乗り、僻地に溶け込もうと苦戦する空自レーダーサイト、そしてPKO部隊・・・読めば読むほど、国防の最前線を担う自衛隊が、こんな扱いを受けていていいのかと切なくなる。

著者のスタンスは右でも左でもなく、中立的な視点で語っているので、割と読みやすい。右の視点から見れば左よりの批評が気になるだろうし、左から見れば少なくとも自衛隊を否定していない時点で抵抗があるだろう。それにしても、自衛隊の現状を知る、という意味では、どちらの思想を持っていても読むべき本かと思う。

奥尻の地震では「自衛隊員の家族だから」という理由で、隊員の妻子が同じ被災者であるにもかかわらず救援物資を受け取れなかったこと。PKOでは「すべて現場の判断」と言うことにされ、ROEもなく武器の携帯も許されずに戦場に送られた現場の悲哀。日本という国は、繁栄と軍事アレルギーのしわ寄せを、物言えぬ自衛隊に押しつけてこれまで生きてきたのだろう。

いつの世も、苦労するのは最前線。



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