10点満点で、7点。
昭和53年の落語協会分裂について、末端の当事者として振り回された著者による暴露本。暴露本という位置づけのようだが、むしろ回想録、あるいはドキュメンタリーといった方がいいかもしれない。
内容は文句なしに面白い。師匠には逆らえない芸の世界、その師匠を担ぎ出して暗躍する圓楽と談志、振り回される圓楽以外の圓生の弟子たち。何が起こっているのかもわからないうちに運命を決められてしまう、弟子の悲哀が乾いたタッチで活き活きと描いてある。我ながらよくわからない表現だけど。
おそらくこの本に書いてあることは、真実なのだろう。事実はどうかわからないが、著者から見た真実である、という匂いはする。Wikipediaによると、ボロカスに書かれている言っても過言ではない、圓楽からも「すべて事実」と言われているらしい。
この本のイメージでは、談志は小悪党、圓楽は大悪党。楽太郎が腹黒いのもある意味当然か。ちょっと見る目が変わった。
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