2008年10月17日金曜日

002 カラシニコフII

10点満点で、8点。

世界中の紛争で活躍する、自動小銃カラシニコフについて、見事にまとめ上げられたルポルタージュの続編。

前作はほぼアフリカについてのみ触れていたが、今作は南米、中東と紛争地帯を追っている。そして、密売ルートを追求して、アメリカの銃砲店、そこから悪名高きノリンコ(中国北方工業)にまで踏み込んでいる。

前作同様、これだけ見事な取材レポートを、朝日新聞記者が作成して朝日新聞社が出版したという事実がまず俄には信じられない。政治色を極力排した文章になっていることも特徴で、あくまで現状をありのまま伝えることに主眼をおいている。そのため論点がぶれることなく、話題が飛んでも混乱することはない。

前作の衝撃が強かったのと、せっかく踏み込みかけたノリンコについて「取材拒否された」だけで話題を終えてしまっているので、星4つ。しかし、前作と合計すれば星10個でも文句なし。両方読むべし。



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