10点満点で、7点。
司法解剖に長年携わった著者による、検死について様々な話題を提供する本。
「死後も名医にかからなければならない」とはけだし名言、殺人事件が一歩間違えればただの病死として処理される、その土俵際を担う監察医の経験談が面白い。
本書で再三述べられているが、これだけ重要な役割なのに、社会的認知度も評価も低く、絶対数が足りないため一部大都市以外では適切な対応が取られていない、そのことが一番恐ろしい。医師不足はほぼ全診療科で深刻な問題ではあるが、それにしても監察医の不足など、普段はまず目にしない話題。
医師の目から見た事件レポートいう読み方もでき、推理小説を読んでいるような、科学エッセーを読んでいるような、なかなか妙な読後感があった。面白い。
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